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10月20日、11月17日浄土真宗をジェンダーからみるつどい開催について

2022.11.18

親鸞聖人は女性に恋をして夫婦となり、実子に恵まれ、家庭のなかで念仏を称えた異色の宗教家として、また恵信尼は親鸞聖人を献身的に支えた妻として、ふたりで助け合いながら信仰生活を送った姿が、浄土真宗寺院の住職と坊守の理想として語られてまいりました。信仰が婚姻や家族と両立しづらかった時代から、信仰を婚姻や家族と両立させなければならない時代になり、親鸞と恵信尼という理想像が求められた経緯や背景が、最新の調査と研究からわかってきました。日本仏教の宗祖、開祖はすべて男性、親鸞聖人と恵信尼をこれまでに語った宗教者や研究者、作家も、その多くは男性です。宗教団体には教義を弘め、儀礼を勤めるだけでなく、社会福祉への貢献も求められており、浄土真宗が今後社会に何ができるのか考えるには、社会によって作られた性別、ジェンダーという視点は欠かせません。ご講師をお願いした日本学術振興会特別研究員の大澤絢子さんから歴史的事実、最近の研究を聴き、意見交換し、互いに考えました。

つどい後にご講師からお薦めいただいた関連書籍は、

川橋範子『妻帯仏教の民族誌』人文書院、2012年

那須英勝・本多彩・碧海寿広編『現代日本の仏教と女性』法藏館、2019年

中村生雄『肉食妻帯考』青土社、2011年

丹羽宣子『〈僧侶らしさ〉と〈女性らしさ〉の宗教社会学 日蓮宗女性僧侶の事例から』晃洋書房、2019

小山聡子『浄土真宗とは何か 親鸞の教えとその系譜』中央公論新社、2017年解放運動推進本部大谷派女性室編『女性史に学ぶ学習資料集』真宗大谷派宗務所、2019年

鈴木正祟『女人禁制の人類学』法藏館、2021年

です。


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